親亡き後、子どもが心配・・・

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ご依頼は承っております。 「親なき後」の問題と成年後見  精神障害者や知的障害者のお子さんをもっていらしゃる方の中には、「自分たちがいなくなってしまったら・・・」と考えている方も多いかと思います。  親なき後の子の財産管理をどのような方法で行うのかを考えておく必要もあるでしょう。  現在、私は、精神障害者の方の成年後見人に就任しています。  被後見人(本人=精神障害者の方)の両親から相談を受けて、「早めに「親なき後」の対応をしておこう」という考えから、後見開始の申立てを行いました。  ご両親としては、高齢となり、自分達の将来も不安になる中、「自分たちに何か起こったら、子の財産管理をどうすればいいのか。」という不安も大きくなってきたということです。  両親が健在なうちは、子のために何でもできますが、たとえば、一方の親が亡くなってしまった場合や財産管理を行えなくなるような不測の事態が発生した場合に備えておくことも大切です。  子の障害の程度にもよりますが、成年後見制度の利用のみが「親なき後」の問題を解消する方法ではありません。子の「自立」を考えるのも一つの方法です。「自立」については専門ではないので、ここでは成年後見制度の利用についてのみ記載いたしますが、両親が健在なうちに「子が自立できる」ように「自立施設の利用」等も考える必要があるかもしれません。  「親なき後」のための成年後見制度の利用については、専門書や成年後見に携わっている法律家などのページをご覧になるとお解りのとおり、いくつかの方法が考えられます。 法定後見制度の利用  子が成年者で子に「意思能力がない」場合、法定後見制度を利用するしか方法はありません。  私が成年後見人に就任しているように、両親が健在であっても、第三者を成年後見人とする利用は可能です。当然、報酬は発生してしまいますが、両親としては、不安に思っていたことを一つ解消したことで、ひとまず安心できるのではないでしょうか。ただ問題なのは、子が若い場合です。この場合、成年後見人に何歳の者がなるかです。後見する期間は長期間に及びますし、親と同じように年上の者が一生財産管理を行うわけにはいかないと思います。その場合、法人を成年後見人とする方法も考えれます。個人と違って法人であれば、通常何人もの専門家が所属していますので、子の一生をお願いすることも可能かと思われます。 法定後見制度の利用2 親が成年後見人に就任する場合  親が成年後見人に就任した上で、信頼できる者に後任の就任をお願いしておくという方法も考えれます。親が亡くなってしまったなどした場合に、家庭裁判所へ後任の後見人選任の職権発動を促す申立てを行ってもらい、親の意向を家庭裁判所に伝えてもらうというのも一つの方法です。しかし、家庭裁判所がその者を選任してくれるかや、実際に頼んでおいた者が動いてくれるかが問題となります。また、頼んでおいた者に親が亡くなったことなどが、うまく伝わるのかも問題になるかもしれません。 任意後見制度の利用 子が成年者で意思能力がある場合  子に任意後見契約を締結する意思能力があるのであれば、任意後見制度の利用も可能です。  任意後見制度の利用2 子が未成年者の場合  子に意思能力があれば、親の同意のもとに任意後見契約を締結することが可能です。また、意思能力がない場合であっても、親が親権者として子を代理し、任意後見契約を締結する方法も考えられます。  法定後見制度の利用でも書きましたが、子が若いですので、子の一生を考えると1人の専門家と任意後見契約を締結することで安心かどうかも考えなければいけません。後見人となる者が20歳前後の者であるわけがありませんので、後見人が先に死ぬことは明らかです。信頼できる法人と任意後見契約を締結することが望ましいのかと私は考えます。通常の法人であれば、何人もの専門家が所属しているはずです。 (実際に任意後見契約の効力が生じるのは、子が成人となってからとなります。子が未成年のうちは、親または未成年後見人が子の財産管理を行うことができるので、任意後見を開始する必要はないと考えらるため、任意後見は開始されません。つまり、家庭裁判所に申立てをしても任意後見監督人は選任されません。)  任意後見制度の利用も可能な場合もありますが、法定後見制度を上手に利用する方法をお薦めいたします。