財産状況が変化した場合

遺言書が作成され、お持ちになる財産や受遺者に変動がなければよいのですが、年数が経過しますとその財産や受遺者に変動が生じてきます。 

相続財産リストは現時点での財産の内容をもとに作成するため、実際に相続が発生するころには、内容が変わっていることもあります。誤解している方もおられますが、遺言書に記載したからといって、その財産を使ってはいけないということはありません。将来財産の大きな変動があれば、財産リストの変更と遺言書のつくり直しをすればいいでしょう。

相続が起き開封された遺言書でその記載された財産や受遺者の一部が変わっていますと、その部分に関しての遺言の効力が失われます。

財産が変更されますと、変更された変更された後の財産についての遺言がされていなければなりません。財産が処分されますとその受遺者に予定された財産がなくなってしまいます。

また、受遺者が遺言者より先に亡くなりますと、その受遺者の相続人に財産が移るわけでなく、受遺者に遺言された財産が宙に浮いてしまいます。

どんなに完璧に遺言書を作成したつもりでも、財産や受遺者が変動すれば万全な遺言でなくなります。 

①財産の変動

・預貯金や株式等の金融資産を別の金融資産に預け替える。
・預貯金や借入金で不動産を取得する。 
・不動産を処分してしまう。 

②受遺者の変動
・受遺者が遺言作成者より先に亡くなってしまう(受遺者の相続人には効力が及びません)。  

問題が起きないようにするには、財産の変動があったとき、その都度遺言書を作成し直さないといけません。受遺者が亡くなってもその相続人に受け継がせるつもりであれば、「受遺者○○が亡くなった場合には△△に」と記す方法もあります。