既に亡くなられた方が相続人か受遺者(遺贈を受けた者)かで回答が異なります。また、亡くなった時期が、遺言者の前か後かでも異なります。
- 【ケース1】法定相続人が遺言者の前に死亡していた場合
- 遺言者が死亡した時に、遺言で指定された相続人が既に死亡している場合、その指定された部分は無効となり、他の共同相続人に法定相続分の割合で相続されることとなります。死亡した相続人に子がいれば、その子は代襲相続人となり、死亡した相続人と同一順位の相続人になります。
- 【ケース2】相続人が遺言者の後に死亡した場合
- 遺言者の死亡後に、遺言で指定された相続人が死亡した場合は、遺言者が死亡した時点で相続は有効に成立していますので、その死亡した相続人の(共同)相続人が遺言で指定された内容を相続することになります。
- 【ケース3】受遺者が遺言者の前に死亡していた場合
- 遺言者が死亡する前に受遺者が死亡していたときは、その遺言の指定した部分については無効となり、他の共同相続人に法定相続分の割合で相続されることとなります。ただし、遺言者がその遺言で別段の意思表示をしていたときは、その意志にしたがうこととなります(停止条件付遺贈または補充遺贈といいます)。
- 【ケース4】受遺者が遺言者の後に死亡した場合
- 遺言者が死亡後に、受遺者が死亡した場合は、遺言者が死亡した時点で遺贈は有効に成立していますので、その死亡した受遺者の(共同)相続人が遺言で指定された内容を相続することになります。
遺言で親の全財産を相続する予定だった長男が、親より先に死亡した場合、長男の子が代わりに相続する「代襲相続」が認められるかどうかが争われた訴訟の上告審判決が22日、最高裁であった。第3小法廷(田原睦夫裁判長)は、相続を認めなかった二審・東京高裁判決を支持した。
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父が死亡する前に、子どもが死亡していた場合、その子(孫)が代わりに相続することを「代襲相続」と呼びますが、遺言で相続させた場合には、中で代襲相続を指示しているなどの特段の事情がない限り、「遺言に効力は生じない」と判断したのです。ちなみに、一審判決は、代襲相続を認め、二審判決は、遺言には「長男が死亡した場合には子が代襲相続する」とは明記されていなかったことから、代襲相続を認めなかったのです。