遺言(ゆいごん)とは


遺言(ゆいごん)とは、死後の法律関係を定めるための最終意思の表示をいいます。
(一般的には「ゆいごん」と呼ばれることが多いですが、法律上では「いごん」と読みます。 )

書かれた内容が遺言と認められれば、残された相続人たちは原則として遺言の内容に従う必要があります。
ただし遺言として認められる内容を法律で決めておかずに、すべて従わなければならないとすると、理不尽な内容が書かれていても従わなければならなくなり、大変なことになってしまいます。
そのため、遺言として認められる内容というのは、法律できちんと定められています。

もし遺言に法律の定められた以外のことが書かれていた場合はその部分だけ無視して取り扱われます。

つまり遺言に法律上で有効なことと、法律上無効なことが混ざって書かれていた場合には、法律上で有効な部分だけ強制力があるということです(もちろん法律上効力を持たないだけで、内容自体否定されるわけではありませんので、希望や思いを書いていただいて結構です)。

◆注意事項

遺言を残すことができる人 

遺言は、未成年者であっても満15才以上であればすることができます(親の同意は不要です)。 
親は、子どもの遺言を取り消す権限などはいっさいありません。 
また正常な判断能力が乏しいとされる「成年被後見人」などは、判断能力の回復が確認できた場合に遺言ができます。

共同遺言、代理遺言の禁止 

共同遺言とは、2人以上が連名で遺言をすることです。
たとえば夫婦共有の財産について夫婦連名で遺言した場合、その遺言は無効とされます。
遺言は、必ず一人一人でしなければならないと定められています。
また意識不明などの人に対して、意識があるときにこんなことを言っていたからといって、他の誰かが代理で遺言をすることも禁止されています。
遺言は、必ず自分の意志でしなければならないと定められています。

遺言の方式

遺言には「普通方式遺言」と「特別方式遺言」があります。
 「普通方式遺言」とは、ゆっくりと落ち着いた状態で作成できる遺言のことをいいます。
そして普通方式遺言には、次の3つがあります。
 ・自筆証書遺言
 ・公正証書遺言
 ・秘密証書遺言

 「特別方式遺言」とは、 普通方式遺言が不可能な場合の遺言方式のことをいいます。
死亡が目前に迫っていたり、 船舶や飛行機が遭難した場合などに、緊急に行う遺言のこといいます。
もし普通方式遺言が可能になって6か月間生存した場合は、その遺言は無効となります。
特別方式遺言には、次の4つがあります。
・一般危急時遺言
・難船危急時遺言
・一般隔絶地遺言
・難船危急時遺言

※当HPでは主に普通方式の遺言について解説しております。